住まいづくりへの思い
天山スタッフ後田です。
本日は恥ずかしながら、専門学生時代に書いた文章をご紹介させて頂きます。
私が3歳から24歳まで過ごした実家は、大きな赤い屋根がかかっていて
シャンデリアの応接間の両隣には和室がある、和洋折衷のおうちでした。
上棟式の様子もうっすらと記憶にあって、
お家を建てて下さった工務店の社長さんや庭師さんとは、
その後も長くお付き合いがありました。
押絵が趣味だった母のアトリエ兼食堂だった小上がりの四畳半の和室は、
東南の突き出した位置にあり陽当たりも良く、
夏は襖を開放してリビングと繋げて涼しく、
冬は襖で仕切ると直ぐに温まるフレキシブルなお部屋でした。
お友達を呼んでお誕生会を開いてもらったり、
お正月休みなどは家族でトランプなどをした楽しい思い出があります。
二階の座敷には、九州の父方の親戚が大勢泊りにきたり、
近所のお友達を招いてお茶会の真似事などをしたりしました。
庭は日本庭園でしたが、犬と一緒に駆け回っていました。
たまに筍が生えたり、戸袋にスズメが卵を産む事もありました。
たまご豆腐にのせる為に、山椒から木の芽を取ったり、
夏場の水まきや冬の落ち葉掃除は私の仕事でした。
私たち子供が独立し、両親もマンションに引っ越す事になり、
実家のあった場所には、今は新しいお家が建っています。
実家で過ごした時間は、今思えばかけがえのないものだったなと感じます。
住まいとは、初めから在るものではなく、
住まい手の生活の積み重ねによって成るものなのだと思います。
住まい手をしっかり守る砦として、大切な思い出を重ねる舞台として、
満足できる住まいづくりの御提案をしていく事が
私の仕事だと思っています。